入間川・入間 (狭山市) 略年表 (※太字は当研究との関連あり)
史実における入間(入間川近辺)
西 暦 年 号 で き ご と
600年 古墳時代後期 このころ上広瀬古墳群が作られる。
716年(霊亀二年五月) 武蔵国に高麗郡が設置される。
768年(神護景雲二十七年十一月)入間郡出身の物部直広成、入間宿彌の姓を賜る。
850年(嘉祥三年六月) 広瀬神社が官社に列せられる。
889~898年(寛平年間) このころ女流歌人伊勢により、「ほりかねの井」の歌が詠まれる。
1184年(元暦元年五月) 源義仲の嫡男清水冠者義高、入間川で討たれる。
1193年(研久四年三月) 源頼朝「那須野の鷹狩り」入間にて鷹狩りを行う。
1225年(元仁二年二月) このころ入間川が宿場として成立する。
1333年(元弘三年五月) 新田義貞、小手指原で幕府軍と戦い入間川に陣を敷く。
1352年(観応三年二月) 足利尊氏、新田義興・義宗と入間川などで戦う。
1353年(文和二年八月) 鎌倉公方の足利基氏、新田氏の動きを牽制するため九年に及び入間川に滞陣する。
1413年(応永二十年) このころ柏原に増田を名乗る槍鍛冶が誕生する。
1482年(文明十四年) 聖護院門跡の道興准后、笹井の観音堂を訪れる。
1537年(天文六年七月) 北条氏綱、東三ッ木に出陣して上杉朝定の河越城を奪う。
1545年(天文十四年) 上杉憲政、柏原の城山砦に陣を敷き河越城を包囲する。
1565年(永禄 八年四月) 北条氏、柏原鍛冶師に対し年間二十 挺の槍製造を命じる。
1567年(永禄十年十月) 神田を名乗る柏原鋳物師が活躍をはじめる。
1588年 (天正十六年一月) 北条氏照、笹井の観音堂配下の山伏に対し軍役を命じる。
1615~44年(元和~寛永) 徳川家光、鷹狩りに際したびたび広福寺を訪れる。
1652~55年(承応年間) このころ堀兼村、上赤坂村、中新田が川越城主松平信綱により開発される。
1666年(寛文六年) 水野村が川越城主松平輝綱により開発される。
1669年(寛文九年六月) 日光街道根岸村の助郷として広瀬村、笹井村が指定される。
1690年(元禄三年十二月) 入間川村と広瀬村の間で村境争論が起こる。
1734年(享保十九年三月) 下奥富村と柏原村の村境争論につき、幕府裁許状が下りる。
1742年(寛保 二年八月) 大雨により入間川が氾濫、上広瀬村、下広瀬村、上奥富村年( 下奥富村などに大被害が出る。
1759年(宝暦九年四月) 北入曽村から七曲井の修復願いが出され、現用井戸として最後の工事が行われる。
1765年(明和 二年一月) 入間川村の豪商綿貫家、伝馬騒動により打ち壊しにあう。
1811年(文化 八年) 根岸村・黒須村間の日光街道に渡し船が設置される。
1820年(文政三年) 大干ばつにより市域各村の米作に被害が発生、収穫不能に陥る。
1830~44年(天保年間) このころ狭山茶の生産が市域各村で本格的にはじまる。
1866年(慶応二年二月) 堀兼村、水野村、上赤坂村、中新田など十九ヶ村、川越藩による農兵取り立て反対を唱え騒
動を起こす。
1866年(慶応二年六月) 武州一揆発生、南入曽村、上広瀬村、笹井村の富農が打ち壊される。
1868年(慶応四年五月) 笹井村で官軍と幕府軍が衝突、飯能戦争が起こる。
1871年(明治四年十一月) 入間県が設置され、市域村々はすべて同県に属す。
1873年(明治六年六月) 入間県と群馬県が合併して熊谷県が誕生する。
1874年(明治年七月) 市域各村に小学校が設立される。
1876年(明治九年八月) 熊谷県が廃止され、旧入間県は埼玉県と合併する。
1876年(明治九年十月) 上広瀬に県内最初の機械製糸工場が設置される。
1879年(明治十二年三月) 三ツ木村が東三ツ木村となる。
1889年(明治二十二年四月) 町村制の施行により、入間川村、入間村、堀兼村、奥富村、柏原村、水富村が誕生する。
1891年(明治二十四年八月) 入間川村が町制を施行する。
1893年(明治二十六年三月) 入間川町が大火、百戸余が焼失する。
1895年(明治二十八年三月) 川越・国分寺間を結ぶ川越鉄道が開通、入間川駅、入曽駅が開業する。
1901年(明治三十四年五月) 入間川・飯能間を結ぶ入間馬車鉄道が開通する。
1910年(明治四十三年) 未曾有の大雨により関東各地で河川が氾濫、水富村、柏原村、奥富村で大被害を出す。
【参考文献】
●市古貞次校注『御伽草子 日本古典文学大系 三十八』學燈社 1958年7月
●西郷信綱 永積安明 広末保著 『日本文学の古典』岩波新書 1966年
●大島建彦校注・訳者『日本古典文学全集第三十六巻 御伽草子集』小学館 昭和49年
●広沢謙一著『狂言入間川考』キャロム 1994年7月
●狭山市 『狭山市史 中世資料編』狭山市 昭和57年
●江田郁夫『室町幕府東国支配の研究』 高志書店 2008年
●木下良監修・武部健一著『完全踏査 古代の道 機内・東海道・東山道・北陸道』吉川弘文館 2004年
●森田悌著 『古代の武蔵』(稲荷山古墳の時代とその後) 吉川弘文館 昭和63年
●埼玉県西部地区博物館入間川展合同企画協議会編
『入間川再発見』埼玉県西部地区博物館入間川展合同企画協議会 平成16年9月
●後藤丹治 釜田喜三郎校注 『日本古典文学大系 三十四 太平記一』岩波書店 昭和42年3月15日
●後藤丹治 岡見正雄校注 『日本古典文学大系三十六 太平記三』岩波書店 昭和46年1月20日
●佐伯梅友 森野宗明 小松英雄編著『例解古語辞典 第二版 三省堂』1986年1月
●大塚光信編 『大蔵虎明能狂言集』 翻刻註解 上下巻 清文堂 2006年7月
●黒川真道編 『鎌倉公方九代記・鎌倉九代後記』 国史叢書 1972年 巻第七
●入間川町編 『入間川町誌』 入間川町誌刊行委員会 1960年
●埼玉県編 『埼玉県史 資料編中世四記録二』 埼玉県編集発行 1986年
●宇治谷孟 『続日本紀(上)』 講談社学術文庫 1992年6月
●宇治谷孟 『続日本記(中)』 講談社学術文庫 1992年11月
●宇治谷孟 『続日本記(下)』 講談社学術文庫 1995年11月
●齋藤慎一著 『中世を道から読む』講談社現代新書 2010年2月
●関岡野洲良著『廻国雑記評註』 勉誠社 1985年
●高橋良雄著『廻国雑記の研究』 武蔵野書院 1987年
●栗原仲道編『廻国雑記 旅と歌』名著出版 2006年2月